業務のポイントを押さえよう

業務のポイントを押さえよう

消化器内科の経験がない人はどのように業務を進めていけばいいのかわからず悩んでしまうでしょう。ここではどのようなポイントに注目すればいいのかをわかりやすく説明します。

観察する場所はどこか

消化器内科では排泄物や検査値、症状など、どの患者さんにも共通する観察項目と、疾患ごとに必要な観察項目があります。例えば、C型肝炎ウイルスに感染し、肝硬変から肝がんに移行している患者さんがいるとします。移行中はインターフェロンをしたり、栄養状態が悪かったり、出血傾向があったり、PEITをしたりなど、様々なことが起こります。そのため、共通の観察項目以外に、GOTやGPTなどの肝機能周りのデータや黄疸や出血などの症状も観察しなければなりません。
観察項目がたくさんありますが、難しく考えなくても大丈夫です。流れやポイントを理解すれば日々の業務に活かせるようになるでしょう。

診療頻度の高い疾患から勉強しよう

消化器内科は疾患数が多いため、疾患ごとに取りかかるのは難しいでしょう。まずは病棟で扱う頻度の高い疾患から勉強をはじめてください。臓器ごとに見ていくと観察するポイントやケアの方法も似ていることがわかるはずです。複数の疾患について学びやすくなるでしょう。
大腸の疾患を例にして見ていきましょう。大腸の疾患と一口にいっても、ポリープや潰瘍、がんなど色々あります。便潜血検査や大腸ファイバー検査の説明や前処置、便の状態の確認、検査出し、検査や症状に応じた腹痛や腹鳴、排便の観察など共通の項目も多く、複数の疾患をまとめて学習することが可能です。

症状の治療法やケアの仕方を学ぼう

消化器系疾患の症状は関係する臓器が多いこともあり、多様です。例えば、下痢の症状を訴えている患者さんがいるとします。その場合、医師は感染性、腸管性、機能性のいずれかの原因があると診断しますが、下痢の症状に共通しているのは腹痛や腹鳴、便の性状や回数、脱水などの項目です。
治療方法も食事制限や水分投与、安静の保持などほぼ同じなので、下痢に対する知識やケアの方法を理解していれば病名が違ってもすぐに対応できます。

データを理解する力を身につけよう

消化器内科では必要に応じて血液検査や尿検査を行い、病気のある臓器を中心にCTやエコー、内視鏡検査などを行います。CTなどの検査結果はカルテに記載されるので、わからない用語などはあらかじめ調べておき、どのような結果だったのかを理解できるようにしておかなければなりません。
この結果に基づいて、どのような治療を行うのかがカルテに書かれていますが、まだ書かれていない場合は、担当医の手が空いている時に聞いてみてください。患者さんに関する情報を交換できるだけでなく、より詳しく説明してくれる場合もあります。
その他、ウイルスや腫瘍マーカー、貧血など病気や重症度によって行われる検査もあります。ベッドサイドでの観察はもちろんですが、カルテに記載されている検査結果も随時確認しておきましょう。