他にも取っておきたい資格
消化器内科で働くにあたり、取得していれば役に立つ資格をいくつか紹介します。転職も有利になるので前向きに検討してみてください。
「認定看護師」と「専門看護師」
看護師としての専門性を高め、より高度なケアを提供したいなら認定看護師や専門看護師の資格を取得しましょう。認定看護師や専門看護師には様々な種類がありますが、消化器内科に関連する資格は、「がん看護専門看護師」「がん薬物療法看護認定看護師」「緩和ケア認定看護師」「皮膚・排泄ケア認定看護師」「摂食嚥下障害看護認定看護師」です。
看護師経験が5年以上あり、うち特定分野での実務経験3年以上という条件を満たさなければ取得できませんが、キャリアアップに役立ちます。消化器内科はがん患者が多い科なので、がん治療や緩和ケアに関する資格を取得していれば、看護師として確実に成長することができるでしょう。
「栄養サポートチーム専門療法士」
これは総合病院などで患者さんの栄養管理を行う資格で、NST専門療法士とも呼ばれています。総合病院ではNST(Nutrition Support Team)が設置され、医師や看護師、管理栄養士、薬剤師などがチームを結成し、患者の栄養管理を行います。
患者の性別や年齢、体格、病状などから必要な栄養量を算出し、実際の栄養摂取量や不足栄養素、全体の栄養状態を把握した上で栄養補給方法を計画したり、患者さんの状態に合う食事形態(普通、かため、とろみなど)や食感(口当たりや舌触り)を提案したり、食材や調理法を決めたり、患者の好みを取り入れたメニューに変更したり、経腸栄養剤の選択や栄養剤の選択、水分管理の評価などを行ったりするのが主な仕事です。
「日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士」
嚥下機能に関連するリハビリは言語聴覚士(ST)の領域ですが、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の認定を受けることで、看護師も接触・嚥下に関するリハビリ計画や訓練を行うことができます。言語聴覚士は1日に行えるリハビリの時間に制限がありますが、看護師にはそのような制限はありません。嚥下機能が低下していると栄養状態が悪くなるだけでなく、誤嚥性肺炎のリスクも高まるため注意が必要です。
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士は消化器内科だけでなく、他の科でも活用できる汎用性の高い資格です。積極的に認定試験を受けてみましょう。
「日本口腔ケア学会認定看護師」
消化器内科はがんの患者さんが少なくありません。抗がん剤治療を行っている人も多いのですが、抗がん剤治療では唾液中の抗菌作用が低下し口腔内の細菌が急増するため免疫力が低下し、口腔内のトラブルが発生するリスクが高まります。衛生状態を保つように歯磨きなどの指導も行いますが、日本口腔ケア学会認定看護師を取得すれば患者さんの信頼度も高まりますし、他の科に転職しても重宝されるでしょう。