大変なこともある

大変なこともある

幅広いスキルが身につく消化器内科は看護師として成長するには最適の科ですが、消化器内科だからこそ大変なことももちろんあります。消化器内科ならではの大変さをエピソードを交えて紹介します。

患者さんの死に直面することが多い

消化器内科には様々な患者さんがいらっしゃいますが、そのうちの6割ががんを患っている患者さんです。がんと闘う患者さんを看護する機会も多く、看護師として色々な経験を積むことができます。しかし、すべての患者さんが笑顔で退院していくわけではありません。治療の甲斐なく、亡くなってしまう患者さんもいます。
外来であれば患者さんと一定の距離を保つことができますが、病棟は日々患者さんのお世話をしているため接する機会が多く、患者さんの死を避けることは不可能です。患者さんの死に立ち会う機会が多いと次第に仕事に対する意欲が低下してしまい、やりがいを感じられなくなってしまう看護師もいます。
患者さんの死に直面しても気持ちを切り替え、次の患者さんの看護に移ることができる精神的なタフさが必要です。

カテーテル管理は意外に難しい

腸閉塞や胆石、中心静脈栄養など、患者さんの多くがカテーテルを留置しています。中には3~4本のカテーテルが接続されている患者さんもおり、体動によってカテーテルが絡まったり、外れたりすることもあります。
また、認知症の患者さんはカテーテルを自己抜去することも多く、看護師はそのたびにカテーテルを入れ直さなければなりません。カテーテルの挿入・抜去にはそれなりの技術が必要です。そのため、繰り返すことで身体的・精神的な疲労が蓄積してしまう人もいます。

患者さんの流動性が高い

消化器内科には長期入院する患者さんだけでなく、症状の改善とともに早期に退院する患者さんもいます。入院してから数日で退院される患者さんは名前と顔の一致が難しく、覚えるのが大変です。また、入退院の回数も多いので手続きや看護計画・評価、看護診断をスピーディーに行わなければなりません。そのスピードについていくのが大変だと感じている人も多いようです。

よくあるエピソード

消化器内科の患者さんは栄養素を吸収する消化器に何らかの疾患を抱えている人がほとんどです。絶食状態の患者さんや嚥下機能の障害で思うように食べられない患者さんも多いので、うかつに食事の話をすることができません。
また、排液など消化器内科特有の臭いが体に染みついていることも多く、友人と会う時は必要以上に臭いを気にしてしまう、という人もいます。臭いに慣れているとなかなか気づけないので、シャワー室でシャワーを浴びてから帰宅するのも消化器内科看護師あるあるです。